所信表明

 平成21年11月の市長選挙において多数の方々からご支持をいただき、2期目も那須烏山市政の舵取り役である市長という重責を担うこととなりました。身の引き締まる思いであります。皆様には、今後ともご指導ご鞭撻賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 ご案内のとおり、現下我国は、長期に渡る自民党政権が終焉し、民主党政権が誕生するなど、戦後政治の歴史的な大転換期を迎えております。この新政権は、従来の官僚主導の行政から政治主導の行政に枠組み転換を図っておりまして、様々な場面で混乱が生じているようでございます。特に、約95兆円ともいわれる未曾有の平成22年度概算要求の無駄を洗い出すため、行政刷新会議が実施している事業仕分けにおいては、地方の独自財源でもある「地方交付税交付金」までもが事業仕分けの対象となり、「制度の抜本的な見直し」が求められたところでありますが、果たして、あのような手法で本当にあるべき結論が出せるのか、大きな疑問を感じざるを得ません。さらには、暫定税率の廃止をはじめ、「ひもつき補助金」の廃止、そして「一括交付金化」などは、その制度設計の内容によっては、今後の地方財政運営に大きな影響を与えることが確実でありまして、この動向が大変危惧されるところであります。

 さらに、これまで進められてきた第二期地方分権改革についても、第4次勧告を終え丹羽宇一郎氏率いる現行委員会は法期限を待たず解散する運びとなりました。今次分権改革は当初、来春を目途に分権改革一括法の制定がなされる予定でありましたが、新政権においては、4次に渡る勧告は最大限尊重しつつも、政権マニフェストの1丁目1番地とも称される「地域主権型国家ビジョン」を踏まえて、新たに鳩山総理を議長として、国関係者と地方関係者を構成メンバーとする地域主権戦略会議を設置し、強力に分権改革を推し進めるとしておりますので、これら動向をよくよく注視していきたいと考えております。

 このような国政激変を踏まえ、私は、全国市長会をはじめとする地方6団体が一致団結して新政権へ対応を講じてまいる必要性を強く認識している次第であり、また、このような国政動向を十分に注視し、市長2期目の市政運営を慎重に行ってまいりたい考えであります。

 さて、2期目の市政運営にあたっての抱負を述べさせていただきます。こうした国政動向はあるにしましても、まちづくりとは、そこに暮らす人々が、和を尊び、自らの判断と自らの責任で、自らの地域を安全で安心して住むことができ、しかも子供達が将来にわたり、そこに住んでいたいと思うような魅力的な地域社会を創っていくことであると信じております。このためには、先見の明をもち、住民の目線に立ち、情熱と意欲をもって市民の幸せづくりを進める公平公正を旨とした市政運営が必要であると考えております。また、本市の歴史や伝統文化、よき習慣等を守り育てながら、この恵まれた山や川、かけがえのない自然は、未来からの預かり物という気持ちで大切にし、市民の皆様と共に世界に誇れる「小さくてもキラリと光る那須烏山市」を拓いていく所存であります。

 これらの政治理念を実現するため、2期目の出馬にあたって「市民の生活優先」を基本とした「市長マニフェスト」を市民の皆様に訴えてまいりました。この内容については、すでにご案内のとおり、

・市総合計画「ひかり輝くまちづくりプラン」の着実な推進

・経済危機・健康危機(新型インフルエン ザ)への適切な対応

・地方分権改革の積極的な推進

を3本柱とした政策提言でございます。

 この中の主な重点的な取組みを改めて述べさせていただきますが、1つ目のビジョンである「健康に安心して子育てのできる那須烏山」を実現するため、県内自治体と格差是正を図る観点から、子ども医療費助成制度を中学3年生まで拡大いたすとともに、子ども館機能の拡大拡充を図るなどの子育て支援の充実、高齢者や障がい者などの交通弱者対策の拡大充実、今後急増することが見込まれる高齢者単身世帯の生活支援対策の充実などを図ってまいる所存であります。

 続きまして、2つ目のビジョンである「特色ある教育・文化のまち那須烏山」を実現するため、大規模改修や耐震化など教育施設の整備充実を計画的に推進するとともに、県下一の学力水準を目標とした特色ある地域教育力の向上を図ってまいる所存であります。また、国指定を受けた長者ヶ平遺跡の保存活用とこれを生かした仮称:悠久の歴史と花公園構想の具現化を推進するとともに、市にふさわしい多くの市民が集える仮称:多目的文化スポーツ施設の整備検討に本格着手してまいりたい所存であります。

 続きまして、3つ目のビジョンである「地の利を生かし活力あるまち那須烏山」を実現するため、農商工連携による雇用機会の創出を推進するとともに、主要幹線道路の早期整備実現要請やJR烏山線利用促進と抱き合わせた市内5駅の利用環境の整備充実による定住環境の向上、定住支援策の再構築、学校給食への地元農産物利用促進や漁業資源の活用による特産物の新規開発、本市の味を発信する農村レストランの開設など地産地消・地産訪消の振興、農地法改正や政権交代による農政改革の動向を踏まえた市農業政策の再構築、市環境基本計画や新政権によるスマートグリット(再生可能性エネルギー固定価格買取制度等)などを踏まえた地球環境にやさしいまちづくり、地域ICTモデル事業の成果を生かした安心安全ネットワークの拡大拡充、魅力ある歴史・観光資源を生かした観光戦略の再構築などを推進してまいりたい所存であります。

 続きまして、4つ目のビジョンである「快適・便利で暮らしやすいまち那須烏山」を実現するため、市公共交通再編整備計画の策定を図るとともに市民誰もが利用しやすい地域密着型公共交通ネットワークの形成促進、市民の心をつなぐ市内連絡道路網の整備推進、携帯電話不感地域の全面解消や2011年7月に完全実施が予定されている地上デジタル放送難視対策の推進、都市再生ビジョンの策定による市街地整備の推進を図ってまいりたい所存であります。

 5つ目のビジョンである「行財政改革による持続可能なまち那須烏山」を実現するため、協働によるまちづくりの拠点となる市民活動支援センター機能の整備を検討するとともに、市民団体等の発案事業を行政がサポートする「市民提案型事業採択制度」の創設、地域主権型国家ビジョンに対応できる行政組織への転換、本市独自の第2期行財政集中改革プランの策定による行革の進行管理の実施、市民や民間活力を活用した行政のスリム化、公共施設等跡地対策の推進、広域行政における消防基盤の再編整備や廃棄物対策の推進、病院事業改革の推進などを図ってまいる所存であります。

 また、現下の大きな課題としまして、昨年来の未曾有の経済金融危機による影響を受け、本市においては、紳士服メーカーの破綻や電機計測機器関連企業(従業員約80人)の撤退など、雇用不安や生活不安が拡大しております。したがいまして、新政権の政策動向を十分注視しつつ、国・県対策や市内経済団体等との連携を図りながら、生活支援対策や雇用対策の充実などに一層取り組んでまいる所存であります。

 さらに、新型インフルエンザが猛威を振るっており、栃木県内においても2名が感染により尊い命を奪われている状況にあります。今後は、強毒性の鳥インフルエンザが発生することも懸念されていることもありますことから、国・県と緊密な連携を図りつつ市民への深刻な健康危機への対応に万全を尽くしてまいる所存でありますので、ご理解ご協力お願い申し上げます。

 最後になりますが、これから20年後の(団塊の世代が80歳になる頃)那須烏山市を想像しますと、少子高齢化が急速に進み子どもが少なくなり高齢者の数が激増するとともに、お年寄りの一人暮らし世帯が確実に急増していきます。こうした現象は、東京も例外ではなく日本中で起きることが想定されております。このことから、20年後この那須烏山市に超高齢社会が到来したとしても、市民の皆さんが安全に安心して暮らせる施策を今のうちから着手すべきと考えています。私の目指す幸福ビジョンは、子どもがゆったりと安全に健全に育つ社会、ゆとりと安心をもって子育ての実感できる社会を構築することはもとより、たとえばどんなへき地であっても、市民の皆さんが生まれ育った地で、地域への愛着を持ち、地域で支えあいながら人生の最期を迎えられる社会を実現することであります。正にこれが人生究極の幸福ではないでしょうか。

 したがいまして、市長2期目における市政運営の基本理念を「心の絆(きずな)再生により安心安全に暮らせるまちを創る」と定め、地域全体の絆を深めると同時に、IT技術等も活用しながら子どもや高齢者を見守る「地域の絆再生による安心安全ネットワーク」の形成を図ると共に、地域支え合いの核となる(仮称)多機能型福祉施設をまずはモデル地区に設置し、その後市内各地域に拡大をしてゆきたいと考えておりますので、皆様におかれましてもご支援ご協力を切にお願い申し上げ所信表明とさせていただきます。