市に戻ってきた方 -根本 潤哉さん/Uターン者-
幼稚園まで那須烏山市(旧烏山町)で過ごし、小学校入学時に東京へ引っ越しました。
大学を卒業して、その後24歳のときにこちらへ戻ってきました。
きっかけは就職です。就職先に決まった会社が全国各地に支店を持っていて、宇都宮でも採用しているというの教えてくれました。
自分は東京よりも栃木に住みたいと思っていたので、宇都宮支店で働くことに決めて、それでこちらへ帰ることにしました。
小学校から大学まで東京で学生時代を過ごしたのですが、人間関係に悩んでいて。
東京に引っ越した後も夏休みなど長期休暇ではいつも帰ってきてたのですが、こっちで過ごす方が楽しかったんです。 特に祖父母は悩んでいるときの心のよりどころになっていました。幼稚園のころの友人と遊んだりしもしてましたし。こちらで過ごすことでホッとできたんです。宇都宮で働くことになれば祖父母とも住めるし、それで戻ってきました。
都会の方が大きな病院があったり医療体制などの充実はやはり大都市の方が有利かなと感じます。
自分の祖母も、都会の大きな病院の主治医に診てもらって生き延びたという経験があるので。一概には言えませんが。
あとは洋服とか買う場所はやっぱり少ないなと思います。
今は閉店してしまいましたが、INAGAWAさん(洋菓子店)が好きでよく行っていました。ケーキはもちろん美味しいですが、INAGAWAのおばちゃんとおしゃべりするのが楽しくて。明るくて話が面白くて、話しているとパワーをもらえるんです!店は閉じてしまったけど、今でもたまにおしゃべりしに行きます(笑)。あとは、魚松さん(鮮魚店)もうちの祖母の代からずっと通っていて、お刺身も美味しくてよく買っていました。おじさんから元気をもらえるし、今も良くしてもらっています。とくみ(ラーメン店)の餃子や、グリンハウス(洋食店)のドリアなども昔から好きで、今でもたまに食べにいきます。
あと、小さい頃に子供神輿を担いでいた経験も思い出に残っています。山あげ祭も毎年のように見ていました。お祭のときの出店も、以前はCOCO'S(ファミレス)の辺りまで出ていて賑やかだったんですよ。出店の種類も以前は食べ物以外にも、金魚すくいとか遊べる店も多くておもしろかったです。
毎年1回は、山を上げているところから踊りお囃子まで一通り見ていますが、どこも見どころだと思うので難しいですね(笑)。山の絵も毎年変わるし、それも見どころだと思います。
歌舞伎の演目では「戻り橋」が個人的には見ていて一番おもしろいです。市外県外の方にも是非見にきてほしいです。
毘沙門山からの眺めです。あそこからの眺めはとても良くてお勧めです。あと、風月カントリークラブの打ちっぱなしが個人的にお勧めです。子どものころに祖父に連れられて行っていたのですが、開けていてとても気持ちいいですよ。
会社と家の往復で、物足りなさやホッとできる場所がほしいと思っていたからです。
大学でまちづくり関係の分野を学んでいてたというのもあります。
山あげ祭も子どものころから見ていて好きですし、まちづくりに関わる活動を自分もしたくて、それでコンタクトを取らせてもらいました。
(※注)
NPO法人クロスアクションは、那須烏山市に拠点をおき、八溝地域の活性化を目指して活動している団体です。
HPはこちら:http://crossaction.jp/ Facebookはこちら:https://ja-jp.facebook.com/cross.action.nasukarasuyama/
この前、まちづくり研究会の報告会でクロスアクションの活動報告を自分が発表させていただきました。
発表のための資料作りも担当したのですが、今までの活動やメンバーのみなさんの想いを聞かせていただき、自分の考えも変わってきました。
これまでは、資源が乏しいから何も生まれないと思っていたんですが、そうではないんだなと。
クロスアクションがやってきたことを聞いたり、自分も活動に参加してみて、資源はあるんだなと気づきました。だから、クロスアクションに加わってからは、自分の地元も捨てもんじゃないと思えるようになりました。
あと、自分もまちがどうしたら良くなるのか、自分だったら何がほしいか、などもっと考えたり想像したりしないといけないなと感じました。
自分は民話や山あげ祭などの伝統文化を分かりやすく、おもしろく伝えるようなことをしていきたいです。 外から来た人がびっくりするような伝え方ができたらと思っています。
あとは地元の人にも普通のことを普通に知ってもらいたいです。住んでいても結構自分のまちのこと知らない人も多いと思うので。自分がやりたいことをクロスアクションの活動ともコラボできたらいいなと考えています。
自分はちょこちょこ帰ってきてて、戻ってくることに特に不安はなかったのですが、顔見知りの人たちとの距離感みたいのは大事にしています。難しいですが、プライバシーは守ろうと。
あとは、会社と家以外のコミュニティがあるかなど、自分で探してみるのもいいかと思います。
インタビュアーから一言
今回Uターンしてきた若者ということで、根本さんにお話を伺わせてもらいました。一度出たことがあるからこその視点で語ってくれたと感じます。
その中で、家と職場以外に居場所がほしかった、という話があり、戻ってきた若者の居場所があるかどうかもまちづくりには重要だなと思いました。
家や会社以外にホッとできる場所、第三の居場所づくりといったことが、地域に若者が戻るカギになるのではないでしょうか。
そして、外へ出て行った若者を「おかえり」と言って迎える土壌があるか、そういった地域の雰囲気があるか、それが戻ってきたくなるかどうかの分かれ目のように思いました。一度外へ出た人がどうしたら帰ってきたくなるか、はこれからも地域全体で考えていきたいですね。
- 2021年4月19日
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