指定文化財

山あげ屋台(6台)

市指定有形 工芸品

72 山あげ屋台ー仲町泉町.jpg72 山あげ屋台ー鍛冶日野.jpg72 山あげ屋台ー元田金井.jpg

 烏山の山あげ行事は、六町の輪番制により毎年行われています。各町には屋台があり、祭礼の中心的な役割を果たしています。構造は御拝ごはい座敷ざしき挽枠ひきわくからなり、車は二輪で、御拝には豪華な彫刻が施され、内部において祇園囃子が行われます。座敷・挽枠は山あげの時には舞台の一部に変わります。記録によると、延宝元年(1673)各町相談のうえ、屋台を新調したとありますが、山あげ行事が現在の形態に発展する過程で、屋台も幾度となく作り替えられました。現存する屋台は、江戸末期から明治時代に制作されたものです。昭和62年(1987)より保存修理が継続して行われ、各町の屋台がそれぞれ美しい姿に修復されています。確実な記録としては泉町屋台の御拝裏に天保9年(1838)の墨書銘があります。

 

元田町屋台ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 御拝飾りは、「鶴に鯉」のハリカづくり、懸魚に「菊」、御拝柱に「金龍」、蹴込みは「諫鼓かんこの図」です。烏山出身、喜連川藩絵師牧野牧陵の作といわれていますが、明治10年(1877)完成以外の古文書記録等は残されていません。ハリカづくりは古くは「はりぬき細工」ともいわれ、竹を網代に編んで和紙をこよりとしたり重ねたりして造形したものです。

 

金井町屋台ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 御拝飾りは「神功皇后じんぐうこうごう武内宿禰たけのうちすくね」で、懸魚に「鶴」、御拝柱に「金龍」、蹴込みに「波に鯉」の籠彫りです。寛政8年(1796)、常陸国鷲子薄井武衛門により制作されたとされています。その後、明治4~8年にかけて修理が行われています。

 

仲町屋台ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 御拝飾りは「須佐之男命すさのおのみこと(素戔嗚尊)」、稲田姫いなだひめを助けて八岐大蛇やまたのおろちを退治」です。懸魚に「菊と錦鶏」、御拝柱に「金龍」、蹴込みは「唐獅子牡丹」です。彫刻師小林平右衛門(現常陸大宮市鷲子出身)、塗師福村雅光等により、明治37年(1904)に制作され、大正14年(1925)、御拝彫刻の塗替修復が行われています。

 

泉町屋台ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 御拝飾りは「神武天皇じんむてんのう金鳶きんし」、懸魚に「牡丹に孔雀」、御拝柱に「子引きの金龍と金龍」、蹴込みは「唐獅子に牡丹」です。彫刻師薄井貞良(現常陸大宮市鷲子出身)等により明治41年(1908)制作され、昭和30年(1955)御拝の塗替修理が行われています。

 

鍛冶町屋台ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 御拝飾りは「少彦名命すくなひこなのみことの大鷲退治」で、大鷲はロシアに例えたものと言われています。懸魚は「桐に鳳凰」、御拝柱に「金龍」、蹴込みは「菊に鶏」です。明治34年(1901)着工し、彫刻師小林平右衛門、彩色請負人山内定吉、塗師佐藤為義、大工井上卯吉により明治40年(1907)完成したものです。

 

日野町屋台ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 日野町は明治35年(1902)に鍛冶町から分離独立した町です。屋台新調の機運が高まり、明治40年(1907)に着工し、大正元年(1912)完成しました。御拝飾りは「牡丹に唐獅子」のハリカづくりでしたが、昭和62年(1987)、「牛若丸と烏天狗」に改造されました。懸魚は「松に鶴」、御拝柱に「龍」、蹴込みは「牡丹に唐獅子」です。

 

 

  • 指定番号:第106号
  • 指定年月日:平成3年3月25日
  • 所在地:那須烏山市
  • 所有者・管理者:各町自治会

 

 

 

 

 

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