透し彫嵌込み扉
市指定有形 工芸品
太平寺には七堂伽藍が配置されていて、その一宇「前不動堂」が大正14年(1925)3月31日に火災で焼失しました。その際、この扉の付いた厨子と御本尊が運び出され焼失を免れたのです。前不動尊は縁結びの御利益があるとされ、多くの若い人の参拝がありました。大正15年(1926)、仁王門の正面約100m先に前不動堂は再建されています。扉は桧板を用い、戸棧による額縁をめぐらし、中央に棧をもって上下に区画し、上部に椿の透かし彫りが嵌め込まれ、背面には金箔が置いてあります。透かし彫りには極彩色を施した痕跡があり、花弁には赤色が僅かに残り、下地は胡粉あるいは白土で白く浮き出ています。葉には虫食い跡まで刻まれており、透かし彫りには希な写実的表現となっています。扉の裏側には「願主 資胤老母 劦住 賢秀坊 干時永禄壬戌五年五月十八日」と弁柄漆で書き記されています。本扉は片方のみ残存ですが、那須家と太平寺の関係を証する唯一の歴史的遺物として大変貴重です。
- 指定番号:第6号
- 指定年月日:昭和37年3月8日
- 所在地:那須烏山市滝
- 所有者・管理者:太平寺/宝蔵寺(宇都宮市)
- 形状・寸法:縦90.3cm、横40cm
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- 2022年11月4日
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