歴史と伝統を誇る日本一の移動式野外劇

山あげ祭の主役達【囃子方 子供達】

サンプル画像 どんなに遠くからでも「祭」と分かるものの1つがお囃子。実はこの山あげで使われているお囃子は2つの流派があり、1つは金井町の関東大和流、もう1つはその他の町の小宅流となっています。大太鼓1名、小太鼓2名、笛1名、鉦1名、鼓2名が1組となっており、大屋台御拝内側に太鼓3名が並び、その後ろに笛と鉦が座ります。そしてひとたびお囃子が始まると、1人で2~3時間は演奏し続けるのです。この囃子方も各町に存在し、女の人が屋台に乗ることも珍しくありません。観光に来た方でよく驚かれるのが、そのテンポの速さ。江戸囃子のようなゆったりと雅なお囃子を想像する方が多いのですが、それとはまったく逆であり、その軽快なお囃子を一度耳にすると2~3日は頭から離れなくなるようです。また、地元の烏山中学校では、お囃子のOBたちの指導による郷土芸能部というものが存在し、若者たちの育成にも余念がありません。
 一見、大人だけで行われているように見えるお祭ですが、子どもたちも負けてはいません。山あげの舞台に上がる子、お囃子を演奏する子、金棒曳に至っては大屋台を引く大人達の先頭を切って歩きます。また、多くの子どもたちが参加する子供神輿での大人顔負けの立派な祭半纏を身にまとって声高らかに神輿を背負う姿は、未来の若衆姿を彷彿とさせます。民家の軒先で休憩する際には、飲み物などを片手に汗だくの姿ではち切れんばかりの笑顔を見せ、夜になるとお小遣い片手に露店へと駆けていきます。こうして子どもたちも祭りに慣れ親しんでいくのです。

山あげ祭の主役達02