指定文化財

程村紙(国選択)

国選択 無形文化財

3程村紙

 紙の名称は、市内下境の程村という地名に由来します。鎌倉時代の建保けんぽう年間(1213~1219)に向田村(現市内向田)で那須奉書が創製されたという伝承があります。程村紙ほどむらがみは「なす紙」の一種で、江戸時代の中頃には越前奉書、美濃なおし、関東の西ノ内等ととおに最良の紙として広く知られ、江戸紙商人などにより、烏山和紙を代表する紙として売買されてきました。八溝地域は、原料のこうぞの生育条件に適し、「那須楮」と呼ばれてさかんに生産されました。紙漉はこのてょうの農家の副業として行われ、特に下境地区では厚手の程村紙や西の内など上質紙を漉く技術が長く継承されてきました。楮蒸し、表皮ひょうひ取り、煮熟しゃじゅく灰抜あくぬき、ちり取り、叩解こうかい撹拌かくはん、紙漉き、圧搾あっさく、乾燥などの工程を経て生産されます。程村紙の用途は、薬種袋やくしゅぶくろ紙、公用記録用紙、大福帳だいふくちょう用紙、着物の包紙、傘紙などでしたが、明治・大正期には一時、西の内紙とともに国政選挙の投票用紙にも指定され、複数の県へ大量に納入されました。しかし、西洋紙の改良・生産拡大に加え、昭和40年代以降、塩化ビニール製品が普及して、和紙生産は激減し、本市内で程村紙の技法を継承しているのは1業者のみとなりました。現在は、「山あげ行事」の山の貼り紙、卒業証書、版画用紙、押絵・財布・名刺入れ等の材料に使われています。

  • 指定番号:国選択第21号
  • 指定年月日:昭和52年6月1日
  • 所在地:那須烏山市中央
  • 保持者:個人

 

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