間引絵馬
市指定 有形民俗
この絵馬は、文政8年(1825)6月、太平寺に奉納されたものです。この頃、度重なる凶作や荒れ地の増大などで、農民の生活は困窮し、全国的に間引きが横行していました。烏山領内でも、人口減少に苦心していた年代で、時の城主大久保忠成は、種々の施策を講じました。太平寺の住職に領内の村々を巡回させ、間引きの悪習を止めるよう説教させたり、村役人に命じて、村内の妊婦を調査して代官所に報告させたりしましたが、十分な成果は得られませんでした。この絵馬の奉納者・作者は不明ですが、浮世絵風のすぐれたものです。絵馬には、鬼の形相をした母親が、両手で赤子の手を押さえつけ、右足で赤子の腹部を踏みつけている凄惨な様子が描かれています。年月を経て彩色はあせ、添え書きの墨書は判読し難いが、間引きを戒める文章の一節に、「禽獣すら子を愛することを知る、いわんや人間をや」とあります。これは、時代を映す民俗資料として得難いものと言えます。
- 指定番号:第7号
- 指定年月日:昭和37年3月8日
- 所在地:那須烏山市滝
- 所有者・管理者:太平寺/宝蔵寺(宇都宮市)
- 形状・寸法:杉板、縦77cm、横134cm
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- 2022年11月4日
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