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有限会社小澤製作所(企業の魅力発信事業 インタビュー動画・記事/30代Uターン後継ぎ インタビュー記事)

企業の魅力発信事業 インタビュー

有限会社 小澤製作所 (那須烏山市野上771)製造業

那須烏山市野上に事業所を構え、金属製品切削加工のスペシャリストである有限会社小澤製作所。
二代目社長である小澤正行さんにお話を伺いました。

 

本日は貴重なお時間をありがとうございます。自己紹介をお願いします。

小澤(1)

代表取締役の小澤正行と申します。正式に代表として仕事しているのは10年程度になります。
しかし父である先代が病気を患ってしまい、それをサポートする形で30年程実質代表のような立場で仕事をしていました。

出身は茨城県美和村(現在の常陸大宮市)です。
私が5歳の頃の旧烏山町への転居に合わせて工場兼住宅を作り小澤製作所が操業開始することになりました。
高校時代のアルバイト経験からサービス業に面白さを感じていたこともあり、当時の私は小澤製作所の仕事に魅力を感じていませんでした。そのため高校卒業後は宇都宮のお菓子屋さんに就職をしました。
しかし就職後1年で家業に入るように先代社長から言われ、渋々入社したのが小澤製作所でのスタートとなりました。

当時は住宅地の中にある10坪の工場兼住宅でしたが、平成元年に現在の那須烏山市野上に移転。そこから増築などを行い現在の形になりました。

小澤(2)

龍門ふるさと民芸館のテラスで「龍門カフェ」のコーヒーを飲みながら滝を見るのが好きと話す小澤社長

 

長年小澤製作所を切り盛りしてきた小澤社長のプライベートについても教えてください。

休みの日は本当に忙しいですよ!
車の運転が好きなのでドライブによく行くし、月に一度は妻と温泉旅行。それから美味しいものを食べに行くのも好きです。休日も朝から夜まで忙しいですね。
余暇を充実させてリフレッシュしながら末永く仕事を続けることが大切だと思っています。個人の目標としては一生仕事をしたいです。

 

別の業種を希望していた時期もあったとのことですが、今のお仕事にやりがいを持ってお仕事されているのが伝わってきますね。
それでは小澤製作所がどのような会社か教えてください。

複合NC旋盤を主体とした金属製品切削加工を行う24時間体制の会社です。

小澤(3)

小澤(4)

メインの取扱商品はブルドーザーの部品で、ショベルが動いたりするところの心臓部分です。メインの取引先はボッシュ様(ドイツの自動車・電動工具の大手メーカー)ですが、現在は10社程度と取引させていただいています。
外資系企業からの受注に対応するためにISO(工業製品の国際標準規格)認証も取得しています。
また、夜間も工場は稼働しており、当番が夜8時ごろに一度点検作業を行うほかは従業員の残業時間はほぼ0となっているのが特徴です。

 

高い生産性を保ちながら残業時間0は素晴らしいですね!

他の会社との取引や、高い品質保持のために会社の未来を左右する設備投資を行うことは何度もありました。今思えば当時の選択は正しかったかなと思っています。

小澤(5)

 

企業として大切にしている理念などについても教えてください。

お客様に信頼される会社になるということを常に意識しています。
誠実に向き合えば、質の高いサービスを提供するために出来ることを考える習慣ができ、結果的にお客様の満足度向上と継続的な取引に繋がっていきます。
また時代も変わっていきますので、若い人材確保や設備投資を行っていかないと会社は発展していかないと考えています。

事業を行う限り時にはクレームが発生することもあります。迅速に対応できるかどうかがお客様からの信頼度に大きく影響するので、対応の迅速性は意識しています。

小澤追加2

小澤追加(1)

令和5年2月には「キラリと光るとちぎの企業」として表彰を受けました。
「トップバッターで本当に緊張したよ~」と小澤社長。

 

現場で活躍する従業員について教えてください。

男性8名、女性6名の計14名が働いています。若い世代も活躍していますが、14名のうち60代以上が5名ということもあり、世代交代も組織の課題です。
従業員同士のトラブルも聞かないし、社員が辞めない、休みたがらない。本当に感心します。

小澤(6)

従業員が休みたがらないから、私も休みづらくて…と笑って話してくださいました

 

年に一度は従業員全員で普段食べられない豪華なものを食べる機会を設けており、従業員も楽しみにしてくれているようですね。忘年会シーズンが近づくと従業員から「今年はどこでやるんですか」なんて催促されます。

小澤(7)

従業員同士が休憩時間も親しげに談笑されている様子から仲の良さも伝わってきます。
小澤社長の仕事のやりがいについてもお話を聞かせてください。

製造業は自分が思っていた製品ができたときの達成感もひとしおですよ。
私が若い頃は売り上げも不安がありましたが、ここまでやってくることが出来ました。当時は別の業種を志望してはいましたが、今はやってよかったなと思います。
数年後には息子への代替わりも考えていますので、会社がこれからどのように変化していくのか見守っていくのも楽しみです。

 

小澤製作所がこれから取り組みたいことについて教えてください。

まずは社員の若返りを図っていきたいです。
コンピューターを活用する作業はやはり若い世代の方が得意です。過去に私達の世代がプログラムを手で組んでいたことが、現在はパソコンでの処理に変化しました。そのような時代の変化に対応していかないと会社も上向きにはならないと思います。

 

若い力を必要としていることが伝わってきますが、若者に身に付けておいてほしい力はありますか?

一番は元気に挨拶ができる方に来てほしいです。
取引先で元気に挨拶を返してもらえると気持ちがいいですよね。挨拶はコミュニケーションの基本で、最も大切なことです。自然と挨拶が出来る習慣は身に付けておいてほしいです。
また、取引先が外資系ということもあり、取引先の相手にはドイツ人の方もいます。英語でメールが来ることもあるので、英語力は身に付けておくに越したことはないと思います。
実務に関するノウハウや知識は、就職前には必要ありません。

小澤(8)

 

最後にこれから社会人になる若者にメッセージをお願いします

学校を卒業するときに就職先を決めろと言われてもなかなかピンとこないと思うんです。実際に社会に出たり、守るものが出来たときに自分の軸も出来てきます。そういう意味では若いうちは遊ぶことを大切にしていていいと思うんです。
責任を持つ年代になったときに頑張れる人間であってほしいと思います。

 

今回は小澤社長に加え、製造部で活躍している小原澤さんにもお話を伺うことが出来ました。

 

自己紹介をお願いします。

小原澤司といいます。
那須烏山出身で、学生時代はサッカー、卓球、バドミントンとスポーツに打ち込んでいました。子どもの頃から父が川によく連れていってくれたこともあり、休日は今でも友人と釣りに行ったりして過ごしています。
高校は調理科に進み、調理の仕事に就きましたが、父が機械関係の仕事をしていることもあってものづくりに興味があり、小澤製作所に転職しました。

小澤(9)

学生時代の経験で今に活きていることはありますか?

高校では調理師免許を取ることを目標に、遅くまで学校に残って練習をしていました。
先生の指導も厳しく、「ちょっとやそっとじゃくじけないようになったな」と思っています。

 

小澤製作所への転職を決めた動機と、入ってみての印象を教えてください。

小澤製作所を見学させてもらったときに、加工されて製品ができてくる過程がワクワクして、「ここいいな。就職したいな!」と思って決めました。
職場は和気あいあいとしていて優しい方が多いです。就職したてで緊張していた時期も気さくに声をかけてくださり、安心して仕事ができました。分からないことを質問しやすい環境なのもありがたいです。

 

安心して働ける環境が整っているんですね

そうですね。
私が入社して間もない頃に不良品をたくさん出してしまったことがあったのですが、その報告をしたときに「大丈夫だよ」と言って素早くフォローしていただけたときに、とてもいい会社だなと思いました。

小澤(10)

小澤社長から直々指導を受けている、と笑顔で話す小原澤さん
インタビュー中は終始和やかな雰囲気で笑いに包まれる場面も。

 

小原澤さんが担当しているお仕事について教えてください。

私の担当は製品の二次加工と洗浄・検品です。出来上がってきた製品をまた違う機械で加工したり、出来上がったものを洗浄して品質が良いものに仕上がっているかチェックする作業を行っています。
入社して1年ほど立ちますが、教えてもらったことができるようになってきて、その仕事を任せてもらえることが多くなってくるとやりがい、達成感を感じますね。

 

最後に、これから社会人になる方にメッセージをお願いします。

社会人になると、失敗することも沢山あると思います。
同じ失敗を繰り返さない努力と失敗を恐れずに新しいことにどんどん挑戦していく勇気を忘れないでほしいと思います。

取材で滞在した短時間の中でも、ものづくりに取り組む誠実な姿勢と従業員同士の暖かさが伝わってきて、心が温かくなりました。
お忙しい中貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございました!

小澤(11)

今回取材に応じてくださった有限会社小澤製作所様の詳細はこちら
URL:https://www.ozawa-mfg.com/

令和4年10月取材
文責 NPO 法人クロスアクション

 

 

 


30 代 U ターン後継ぎ インタビュー

 以下の記事は、魅力発信事業で作成したものではありませんが、過去に那須烏山市が類似事業で作成したものにつき、南那須地区雇用協会が譲り受け掲載しています。

有限会社 小澤製作所 (那須烏山市野上771)製造業
三代目 小澤康寛さん


仕事に打ち込めるのは安心して子育てできる環境だから。
品質と技術にこだわりを持って、製造業のこれからを担う。

(1)小澤製作所

那須烏山市に会社を構える小澤製作所。主に油圧部品、車や農機具の部品を製造している会社です。
こちらの三代目が小澤康寛さんです。品質にこだわり、高い技術を持つ小澤製作所。ISO も取得しています。
まさに日本の産業を支える製造業の現場で働く小澤さん。また、仕事と子育てについてもお話を聞かせていただきました。

 

プロフィール

那須烏山市出身。烏山高校卒業後、作新学院大学経営学部へ進学。
大学卒業後、株式会社ミヤノ(現シチズンマシナリー株式会社)へ就職。2年間就業したのち那須烏山市へ戻り、家業の小澤製作所で働き始める。現在、社長であるお父様と共に会社を盛り立てている。
※株式会社ミヤノ 2011 年にシチズンマシナリー株式会社と経営統合。
シチズンマシナリー株式会社 HP http://cmj.citizen.co.jp/

 

どんなお仕事をしているのか教えてください。

金属部品の切削加工 主に油圧部品、車や農機具などいろいろ作っています。
取引先は県外の会社で10社くらいです。Bosch(ボッシュ)さんや川崎重工さん、農機具ではヤンマーさんなどの部品を製作しています。作った部品は土浦や金沢、神戸へ納めています。

 

小澤さんで何代目ですか?

自分で3代目です。元々は自宅の裏で細々とやっていたようで、祖父は手作業で部品を作っていたみたいです。ここが建って30年くらいなんですけど、父親が会社を建てて機械も入れて、今のような形になりました。自分が帰って来てからも 5から6台設備を増やしています。
ここの地盤があまりよくなくて、設備もこれ以上入らないですし、そろそろ新しい工場を増設する予定です。
烏山は製造業の会社がけっこうあったのですが、だんだん少なくなってきていると聞きます。
継ぐ人がいなくて廃業しているところがほとんどですが、取引先の要求が年々厳しくてなって、ついていけなくて辞めてしまうというのもあると思います。廃業する同業者の方から『この部品もやってくれませんか?』と依頼が来てうちで製造を引き継ぐこともありますね。
今は昔と違って、パソコンも使えないといけないし、メールでのやりとりも多いですしね。
若い後継者がいないところはそのあたりでも厳しいです。
ボッシュさんなんかはたまに英語でメールくることもあるんですよ。日本語で返してますけど(笑)

(3)小澤

(4)小澤

 

会社の自慢、イチオシ、こだわりを教えてください。

自慢は技術ですね。うちにしかできない、他にはない技術を持っているところです。
あまり他社でやっていないことができる。取引先の要求に応えられるところですかね。
加工ができるところが少ないんですよね。
部品によっては数あるボッシュさんの外注さんでも 3 社くらいしか作れない物もあって、そのうちの1社がう
ちだったり。

 

3社しかできないうちの1社が小澤製作所!凄いですね。とても貴重な技術を持っているんですね。

こだわりは品質ですね。
日本は品質がよくて当たり前と思われているので、品質にはこだわってやっています。簡単なものはすぐ海外に注文がいってしまいますから。新しく発注がくるのは難しい物ばっかり。そういうちょっと難しいことをやる会社がないから、できるところを探してうちに来たりしますね。
あとは、工場の中をきれいにすることを心がけています。自分が結構綺麗好きなんで(笑)、きれいじゃないとやる気にならないんです。綺麗でないと効率も上がらない。工具も何がどこにあるかすぐ分かるように整理整頓しています。

(5)小澤

(6)小澤

 

自分が帰ってきてから ISO(品質マネジメントシステム ISO 9001)も取りました。ISO取得しているとやはりお客様からの信用も上がりますし。このファイルにうちのルールが書いてあり、この通りにやってください、というのをまとめてあります。
自分が帰ってきてから作ったのですが、作るのに3年くらいかかりました。
コンサルタントの方にアドバイスをもらいながら作って。その後、審査を受けて取得しました。

(7)小澤

すごいファイルの厚さですね!3年がかりで。ISO を取得するのは大変なんですね。

地元を離れた経緯と戻ってきた経緯を教えてください。

大学卒業後、すぐに自分のところで働くのではなく、他で修業した方がいいと思って2年間は株式会社ミヤノ(現シチズンマシナリー株式会社)さんで働いていました。2年の間に福島、長野、岩手と3か所の工場で働いて、大手の現場で経験を積んできました。ミヤノさんで働いていたのは2年間ですが、外に働きに出て良かったなと思います。


なるほど。同業でも外の世界を一度見てみるのは大事なことですね。 

戻ってきたきっかけは、リーマンショックです。本当はもっといる予定だったんですけど、そのとき働いていたミヤノさんでもやることがなくなってしまって、それで戻ってきました。
戻ったばかりのときはまだリーマンショックを引きずっていて、うちの会社も暇だったんです。でもその分時間があったので、会社の整理整頓ができました。床も今は緑色ですけど、もとは真っ黒だったんです。
時間があったから床を塗り直したり、整理整頓ができました。忙しかったらここまで整理できませんでしたね。

 

リーマンショックの暇な時期を有効に使ったんですね!マイナスをプラスに変える発想の転換、大事ですね。 

栃木に帰ってきてからは高根沢町で一人暮らしをしながらここに通ってたのですが、那須烏山に家を建てて住まいも地元に戻りました。
烏山に帰ってきたら「ひらつね」の平野さんに誘われて商工会青年部にも入って。

(8)小澤

(9)小澤

那須烏山市の、以前と比べて変わったところ、変らないところは?

以前に比べて公園が少なくなったと感じます。遊具も老朽化で取り壊されてしまったり。噴水も直す予算がないみたいでそのまま放置になってますし。直したらもっと子どもも遊ぶんじゃないかな、と思いますね。滑り台なんかも昔は滑りがよかったのに、古くなっちゃって滑らないし。近くに子供を遊びに連れて行くところがない。それで結局、子どもを連れて宇都宮まで行ったりしちゃいますね。

 

子どもが遊びたくなるような公園がないということですね。

変わらないのは、地元の人たちですね。昔も今も全然変わってないなと感じます。年をとってもあまり変わってない。こっちに帰ってきて、それが安心したというか。
あとは、山あげ祭とかもずっとやっているし、久しぶりに帰ってきても変わってないと感じます。
ただ、子ども神輿の担いでいる子どもが減ったなとは思います。昔は子どもだけで担げたけど。ここは昔と変わったなと思います。

(9)´小澤

(10)小澤

 

一度、外に出たからこそ分かる、いいところ、課題に思うところは?

課題だと思ったのは、町工場感覚ではなくて、「大きな会社と同じことをやっていかないと」と思いました。これは外に出たからこそ感じたことですね。会社の中の整理整頓なんかも、ミヤノで働いていたときの経験があるからこそですね。大きいところは工場内の整理整頓もしっかりしていて、いつも綺麗にしていた。自分のところは工具を置く場所も決まってなくて、使いたいときにすぐに見つけられなかったりと、効率が悪かったんです。だから、帰ってきてから自分の会社も綺麗に整理整頓しました。
そういう面でも一度外に出てよかったなと思いますね。
あとはミヤノが大きい会社だったんで、酒飲みとか上下関係なんかも学べました。一度出なかったら分からなかったですし、ずっと自分の会社にいたらこんなこと思わなかっただろうなと思います。

いいところは、うちもすごい製品をやっているんだなと感じました。
外で働いてみて、うちの会社もよくやってるなと。これも一度家を出たからこそ分かったことです。うちもすごい製品作っているんですよって従業員さんにも伝えるようにしています。これはなかなか他じゃできないんですよとか。

小澤さんが外に働きに行ったことは会社にとってもかなりメリットになってますね。

(11)小澤

(12)小澤

暮らしの面でいいところ、課題だと思うところはありますか?

若い人どんどんいなくなっているじゃないですか。そういった中でやっぱり子育て世代の人が住みやすい環境を整えていくのがいいんじゃないかなと。お金を使わないで遊べるところがないといけないんじゃないかなと。ちゃんとした公園が一つくらいあった方がいいと思います。そこが課題かなと感じます。

お金をかけずに遊べる場所、確かにそれは大事なことですよね。

暮らしの面でいいところは、うちの子どもが自閉症なんですが、発達障害の子の支援がしっかりしています。自分も昔は全然知りませんでしたが、当事者の立場になって初めて知りました。実はこういう支援がいろいろあったんだなというのが分かりましたね。これはいいところですね。

そういった支援があるのは私も初めて知りました。具体的にはどのような支援があるのですか?

発達障害の子の療育場所とか、親と子どもが一緒に勉強できる場があります。幼稚園に入るまでに慣れるようにとか。この支援を知ってすぐ通うようにして、今でも幼稚園が終わった後に行くこともあります。
うちの嫁さんなんかも悩んでいる時期があったんですが、そこに通うようになって明るくなった。おそらく近隣自治体からも通っている方がいる思います。それだけこういった施設や支援があまりないんじゃないかなと。そういう支援が手厚くて充実している。そこが自分にとってはすごくいいところですね。

(13)小澤

 

この街で働くこと、暮らすことについて感じることはありますか?

働くということでは、製造業だと烏山だけでっていうのは厳しいと思いますね。市内に取引先はないですし。市外の会社と取引しないとやっていけない。ただ、やはりうちみたいな製造業が続けていくことによって、平野さんのところ(ひらつね)とかにも貢献でき
るのかなとは思います。
ミヤノにいるとき、自分と同じように他県から修業にきている人たちがいたんです。その人たちとはお互いの工場へ戻ってからも連絡を取り合っています。石川県や埼玉、大阪の人もいます。お互い似た境遇で、ライバルであり取引先でもあります。うちでそこの部品も1点だけ請け負ったり。このメンバーとは年に1回くらいみんなで集まって飲んだりしているんです。同業で立場も似ているから話も合い
ますしね。お互いの情報を交換しあっていると、これは負けてられないなと思うこともあります。実際、お互いの会社を訪ねて現場も見させてもらってますし。離れているけれど、負けられないなって思いますね。


素敵なつながりですね!同業者同士の県を超えての繋がり、とてもいい関係ですね。各地の製造業同士、切磋琢磨したら日本の産業全体にもいい影響がありそうです。

(14)小澤

 

烏山に暮らすということについては?

昔から知っている人ばかりなので、気をつかってくれるし自分にとっては安心して暮らせる場所です。
幼稚園の先生も昔から知っていますし。子どもを安心して育てられる環境。すべては子どものためですね。正直、自分なんてどこでも暮らしていけますしね。

(15)小澤

 

事業を通して分かる「この街ならでは」なことは?

継ぐ人がいないから、どんどん会社がなくなっていっているんだなと感じます。
近くにもあった工場も数年前に辞めてしまって。少しずつなくなっているなと思います。技術を持っているのに、もったいない。継ぎたくないのは、製造業の人気がないから。
自分だったら、新しい製品ができたときに達成感を感じる部分はあるんですが、他の従業員さんにどうやったら達成感を感じてもらえるかを考えています。少しでも楽しいと感じでもらえるように。なかなか難しいところではありますね。
人と採用するうえで、製造業の魅力をどう伝えるか、それが課題かなと思います。

(16)小澤

(17)小澤

 

では、小澤さんの仕事に対する想いを聞かせてください。

品質第一に、納期をしっかり守ってやる。
この2つにこだわってやっていけば信頼されていく。短納期の急な依頼もできるだけ受ける。大手では無理なところもできるだけやっていきたい。それが中小の強みかなと。明日の朝までにこれを作ってほしいとか、そういう無茶なお願いもあるんですけど、そこを対応して感謝してもらえるとやってよかったと思います。


最後に、今後やりたいこと、事業でもプライベートでも何でもいいので教えてください。

まずは工場の増設です。今年の目標は新たに増設して会社を整える。毎年1年ごとに何をするか計画を立てているんです。
昨年は設備投入、今年は工場を増設して広げる。いきなり大きなことはできませんからコツコツやって、ちょっとずつ大きくしていく。この積み重ねですね。
プライベートの楽しみはお酒ですかね。お酒が好きなんで、1か月に1回とか、烏山合同タクシーの矢板さんや同級生で飲んでいます。そういうときはいっぱい飲みますね!今は子どもが小さくて家であまりゆっくり飲めないんで(笑)。子どもを安心して育てられる環境だから仕事に打ち込めますね。そういう支援があったので、那須烏山に住んでよかったなと思います。

(18)小澤

 

インタビューを終えて

今回、普段見れない製造業の現場を取材させていただき、大変貴重な機会となりました。
他では製造が難しい部品も小澤製作所で取り扱っているとのこと。このような会社がここ那須烏山市にあるというのに驚きましたし、住民の一人としても誇りに感じました。
また、こういった高い技術を持った会社があることを、市内の方がどれだけ知っているのかな?とも思いました。後継者がいないといった製造業の現状は、那須烏山市だけでなく日本全国で起こっていることだと思います。
その中で、県外の同業者の方と今でも繋がって切磋琢磨しているのも頼もしいです。また、外との交流も大事だなと感じました。今回、現場を見ながらお話を聞かせていただき、日本の製造業はこういった町の中小企業が支えているのだと改めて実感しました。
そして、技術と品質を受け継ぎ守っていこうとする人がいる、これは市の産業を支えていくうえでもとても重要だと思います。
また、お子さんを安心して育てていける環境があるから仕事に集中できる、という話も印象的でした。
小澤さんの話を聞いて、私も初めて市の福祉支援が充実していることを知りました。当事者になってみないとなかなか分からないことです。今回お話してくださり、とてもありがたかったです。

安心して子育てをしながら、これからも小澤製作所を盛り立てていってほしいです!
小澤さん、お忙しいところお時間いただき、本当にありがとうございました。

今回取材に応じてくださった有限会社 小澤製作所の詳細はこちら

URL:https://www.ozawa-mfg.com/

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このページに関するお問い合わせは商工観光課 商工振興グループです。

烏山庁舎1階 〒321-0692 栃木県那須烏山市中央1-1-1

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