株式会社高津製作所(企業の魅力発信事業 インタビュー動画・記事)
企業の魅力発信事業 インタビュー
株式会社高津製作所(那須烏山市八ヶ代625-2) 製造業
那須烏山市八ヶ代に事業所を構え、半導体やロボット部品といった成長分野の製造で活躍する株式会社高津製作所で、次期代表と若手スタッフにお話を伺ってきました。
自己紹介をお願いします。
高津製作所で常務取締役を務める高津圭佑と申します。
都内の大学に進学したのちに証券会社に就職し、当時後を継ぐことは意識していませんでした。
配属が宇都宮市になってしばらく働いていましたが、形のあるものを取り扱う仕事がしたいと考えるようになり、ものづくりをしている実家の事業に興味を持ち、2013年に高津製作所に転職しました。2017年に常務取締役となり、三代目として後を継ぐことを念頭に取り組んでいます。
学生時代は野球、サッカー、テニスなど、やることはすべて全力で打ち込んできたと語る高津さん
ありがとうございます。では早速高津製作所の紹介をお願いします。
弊社は機械加工のプロフェッショナル集団を目指して取り組む会社です。
創業者である祖父の実家が高根沢町で、その庭先を使って創業した会社です。
父が会社を継いで那須烏山市に拡張する形で那須烏山市に事業所を構えるに至っています。
金属加工を主な業務としており、2013年位までは自動車部品が取引の95%を占めていました。
しかしメインの顧客の事業撤退があり、今後も自動車部品製造に注力すべきか別の分野に参入すべきか判断に迫られることがありました。そこで産業用ロボット部品や半導体製造装置部品への参入を決断し、現在では売上高の80%ほどを占めています。
市長の企業訪問時の集合写真
会社の特徴としては、製造工程の自動化に積極的に取り組んでいることです。極力人の手をかけずに生産を行えるよう、ロボットを活用した24時間体制の工場稼働を実現しており、今後一層機械化を進めていきたいと考えています。また、変化に強い企業経営を念頭に置いています。一人一人がものづくりの流れを理解し、習得し、実践できるような人材育成を行っており、それによって変化に適応できる組織作りを方針として意識しています。
続いて経営理念についても教えてください。
京セラさんの掲げる経営方針に共感し、全社員の物心両面の幸福を追求するとともに、社会の進歩発展に貢献する
と理念に掲げています。製造業も、製品は人が創っており、人を創るのは会社であり経営者だと思っています。
やりがいをもって働く人を育てることで、お客様が満足できるものを創る。そのような気持ちをもって事業に取り組んでいます。
高津製作所の経営方針
地元のプロサッカーチームである栃木SCのサポーターも務めていらっしゃいますね。
私が元々スポーツ観戦が好きで、栃木SCの応援に毎週末のように通っていたことがきっかけで、オフィシャルパートナーとして会社を挙げて栃木SCを応援しています。
スポンサーの提案を受けたとき、プロスポーツチームのスポンサーは大企業が担う印象が強かったので悩みましたが、
「私たちにもできるのであれば」と考えて2019年からスポンサーとなりました。
それにより選手が工場に来訪してくださったり、社長や従業員を引き連れて試合観戦に行く機会もでき、今では他県のアウェー戦の応援に行くような従業員もいます。会社の中で仕事以外の共通の話題が生まれたことで、従業員の一体感・結束感が生まれたと感じています。
業務外で従業員同士が共有できる楽しみがあるのはとても良いですね!続いて会社として掲げる目標を教えてください。
世の中に金属加工業を行う企業はたくさんありますが、勿論目指すのは業界ナンバーワンです。
「高津製作所に任せておけば大丈夫」
「高津製作所でなければだめだ」
そう感じてもらえる会社になることが大きな目標です。闇雲に事業規模拡大を追い求めるのではなく、会社と従業員が社会に貢献し、信用してもらえ、成長していけるようにしたいと思っています。
目標実現のために求める人材像があれば教えてください。
従業員の7割ほどは未経験から入社しており、資格や経験は問いません。入社後努力してプロフェッショナルになってもらう意識は求めており、わが社の従業員全員に機械加工技能士という国家資格の取得を目指してもらっています。
従業員の皆さんは県内受験生の中での1位での資格取得を目指して受験しているそうです。
一人の技能士として活躍したい。自分を磨きたいという想いがある人は高津製作所に向いていると思います。
興味を持った方は工場見学や長期休暇中のアルバイトも相談してほしいです。
学生のうちに経験しておいてほしいことがあれば教えてください。
学生と社会人の違いを意識してほしいです。
自力で解決できないこと・わからないことをそのままにしないで、わかるまで能動的に学ぼうとする姿勢を持てるかどうかで能力に大きな差が出ると思っています。社会に出たら先生や教科書はありません。自分から学びに行く意識を持っていてほしいです。
これから社会に出る若者へのメッセージをお願いします。
自分がどのような人物なのか、長所や短所を知るということは大切だと思います。得意なことは自信になるし、苦手なこともできるところまでは頑張ってみようという意識につながります。経験したことのない課題に向き合うときに自分の力を出せるのか、どこまで頑張れるのかについてよく自己分析して社会に出てもらえると、活躍できるのではと思います。
会社の未来と従業員の幸福を大切にする組織作りへの情熱が伝わってくるお話を有難うございました!
続いて製造部に所属する大森智美さんと川上拓真さんにもお話を伺うことができました。
自己紹介をお願いします。
-
川上さん
製造部の川上拓真と申します。生まれも育ちも那須烏山市で、就職して3年目になります。
学生時代は学生と社会人合同のフットサルチームの立ち上げと運営を経験し、立場の異なる人とのコミュニケーションを学ぶことができたと語る川上さん
前職は自動車業界で仕事をしていましたが、転職活動を考えた際に高津製作所の情報が目に留まり、専門学校時代から磨いてきた旋盤加工技術も活かせると思い転職しました。
入社にあたって社長と連絡を取り合う中で、仕事への情熱を感じたのが第一印象です。従業員の責任感と情熱を引き出して一丸となって取り組む会社だと思っています。
- 大森さん
同じく製造部の大森智美と申します。就職して3年目で、私も那須烏山市在住です。
学生時代は弓道に打ち込み、県団体3位入賞を果たしたこともある大森さん
高校は調理科に在籍していましたが、就職難の時代だったことから別の業界に就職しました。
その後職業訓練を受講している折に、機械加工やCADについて学ぶ機会があり、実地訓練で高津製作所にお世話になったことがきっかけでそのまま就職するに至りました。
実習時にはこの業界でやっていけるか心配でしたが、社長に背中を押していただき、入社しました。
何事にもチャレンジしていく風土があり、新しい業務について、工具や行程についてもコミュニケーションをとりながら進めることができる会社だと思っています。
続いてお仕事の内容について教えてください。
- 川上さん
私たちは工場の産業用ロボットに関する部品を作っています。既定の寸法を満たしながら1日にどれだけの数量を作れるかが求められる仕事です。納期に間に合わせるためのスケジュールも自分で管理して製造し寸法測定や検品梱包も一人で一貫して行うこともあります。図面に沿って工具の選定やプログラミングを行いながら、品質のチェックまで個々人が担っています。
- 大森さん
具体的な一日の流れとしては、8時に出勤してすぐに機械の立ち上げ作業を行います。前の日の無人運転分の製品の寸法のチェックなどを行います。機械の立ち上がった後に刃物の交換や切削油の交換、日報やトラブルの報告を行います。朝礼を行い、機械の補正作業や消耗品交換を行いながら加工作業に入っていきます。一人で複数の機会を担当しているので、順繰り確認作業なども行っています。夕方には無人運転の準備を行い、製造の進捗状況の報告を行い17時に定時退勤します。
お仕事のやりがいについて教えてください。
- 川上さん
一日にどれだけ製造したか数字として管理できるので、いかに多くの利益を生み出すかが腕の見せ所であり、やりがいです。
一方で納期限を守るためにどうしていくのか考えながら工程を進めていくことは、大変さもあります。また、仕事をしていて嬉しかったこととして、栃木SCの選手が工場に来てくださったときに、私が目の前で記念のメダルを創ってプレゼントしたことがあり、思い出深いです。
- 大森さん
覚えることが多いので苦労もありますが、新しいことを覚えてできるようになる時は嬉しいです。
新規加工でプログラムを一から組むこともあり、どうすればよいプログラムになるか、刃物の選定や座標の確認など考えないといけません。それらがうまくできて実際に製品が完成した時は、大きな達成感を感じます。
退勤後の同僚とのおしゃべりが尽きないことや、筋トレが趣味の同僚と一緒にジム通いしている話など、従業員同士の仲の良さを感じるお話も聞かせていただきました。
高津常務から、資格取得に力を入れている話も伺いました。
- 大森さん
会社の先輩たちが数値制御旋盤加工の資格を持っていると聞いており、就職時から意識して仕事にも取り組んでいました。
実務経験の要件を満たしたタイミングで2級を受験して合格通知を頂くことができました。受験にあたっては実技も必要となりますが、終業後や休みの日に先輩や工場長の立会いの下、実技の練習をさせていただき、とてもありがたかったです。
- 川上さん
私は昨年数値制御旋盤加工という資格の一級を取得しました。実技の練習にあたっては、工場の機械の稼働を止める必要がありリスクでもあるのですが、社長は私の資格取得のために快く機械を貸してくださり、時間も確保して練習をさせて頂くことができました。
分からないことは諸先輩方が丁寧に教えてくださり、練習に励むことができ、一級受験時には栃木県の受験生の中で一位合格することができました。
最後に社会人になる若者へのメッセージをお願いします。
- 大森さん
経験や学びが人生でマイナスになることはありません。チャレンジすることはとても大切なことなので、失敗を恐れずいろんなことに打ち込んでもらいたいと思います。
- 川上さん
学生時代に何かに熱中する経験が大切だと思います。熱中すると自分なりに考えて努力する経験につながるので、社会に出ても役に立つと思いますので、好きなことに思い切り没頭する経験をしてもらいたいと思います。
代表取締役社長の高津淳二さんを交えて
従業員のやりがいや喜びを大切にしながら、時代の先を見据えた会社作りへの情熱が伝わってくるお話をたくさん聞かせていただくことができました。
貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
▽今回取材させて頂いた株式会社高津製作所様の詳細はこちら
http://www.takatsu-factory.co.jp/
令和6年12月取材
文責 NPO法人クロスアクション
問い合わせ先
このページに関するお問い合わせは商工観光課 商工振興グループです。
烏山庁舎1階 〒321-0692 栃木県那須烏山市中央1-1-1
電話番号:0287-83-1115 ファクス番号:0287-83-1142
メールでのお問い合わせはこちらアンケート
那須烏山市ホームページをより良いサイトにするために、皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。
なお、この欄からのご意見・ご感想には返信できませんのでご了承ください。
- 2025年2月21日
- 印刷する